(プロフィール概略)
「作る」「食べる」「学ぶ」 三位一体の新しい自然農ビジネスモデルを目指して!!
1979年熊本県生まれ。農家に囲まれて育った環境から農業を志す。慶應義塾大学卒業後、産地直送の会社に勤務後、’06年個人事業として起業しネットショップ開始、’09年法人化して「コトモファーム農園」をスタート。農薬を極力使用しない農家のネットワーク、新しく農業に従事したい人々のための参入支援・促進、そして独自販路の開拓を主な業務内容とする株式会社えと菜園を設立。生活保護受給者などの就農支援プログラムで「横浜ビジネスグランプリ2011ソーシャル部門 最優秀賞」受賞し、その後NPO法人農スクールを設立。柔道二段で、体力には自信あり。
●幼少~大学時代ー
農村地域で育ったお転婆娘、夢はいつしか農業へ!!
学生時代は柔道一直線、途中寄り道もしたけれど農業を生業にしたかった!!
1979年熊本県阿蘇郡南小国生まれ。モノごころつく4歳頃に菊地郡合志町へ引越しました。両隣は米農家とタバコ農家、向かいは牛舎、裏手はスイカ農家、・・・なのに私の両親は学校の教師という環境で育ちました。私は生まれつきお転婆な性格で、勝手に耕運機を動かそうとして怒られたり、学校帰りに他人の畑の芋掘りをして見つかって怒られたり、牛舎に忍び込んで牛を解放しようとして怒られたり……近所の農家さんにはいつも怒られていた記憶が残っています。(笑
農業をやりたい、と思い始めたのは、私の両親の帰宅は毎日遅かったのですが、農家の友人宅は、夕食はもちろんお昼ご飯まで一緒だったんです。それがとても羨ましかったという思い出があって、そのことが少しは影響しているのかも知れませんね(笑。それから小学生の頃、テレビで観たアフリカの子供達のドキュメンタリー番組の影響がとても大きかったと思います。食べるものがなくて餓死していく……でも、自分はといったら、冷蔵庫を開ければ食べ物があるし、ご飯を残したりもするし、畑には野菜もある。「それをアフリカの子供達にあげればいいのに」と両親に言ったら「砂漠では簡単に作物が育たない。そういう気持ちがあるなら農業系の大学に行って研究をして、それからアフリカに行けばいいじゃない」と言われて、すごく納得したのです。また中学から柔道を始めたのですが、試合前の減量の度に「減量でこんなに辛いのに、途上国の子供達の『餓死』は辛すぎる!砂漠で育つ農作物を作る農家になろう!」と次第に決意が固まってゆきました。
しかし大学はバイオ研究の最高峰の京都大学農学部を受験して失敗……ショックでした。でもどうしても諦められないので浪人してでも全力投球しようと、北九州予備校(小倉)で1年間猛勉強。再度挑戦しましたが残念な結果となってしまいました。そんな時、予備校の先生が「将来のために国際協力やITの勉強をする道も……」と慶應義塾大学環境情報学部(藤沢)を勧めてくれ、進学することにしました。
初めての都会生活は毎日が新鮮なことばかりでした。社会経験のために沢山のアルバイトも積極的にやりました~コンビニ、居酒屋、塾講師、家庭教師…などなど。そして都会には、働きたくても仕事がない人が沢山いるんだ、ということを知り衝撃を受けたんです。また農業へ取り組むための基礎体力づくりのために大学でも体育会柔道部に入部しました。
●新規起業への準備ー
どういう農業スタイルにするべきか?
社会経験をしながら模索し続けた!!
卒業が近づくにつれ、どうしても社会心理学を勉強したくなり、文学部人間科学科へ編入し、その後の3年間は三田へ通いました。東京の生活に移って農業関連の情報が倍増しました。アルバイト先も単なる社会勉強ではなく、将来の農業に役立つ会社を探したところ、ユニークな食品流通の会社さんと出会い、お世話になることになりました。「国産の良い商品を、守り、繋いでいこう!!」という熱い理念や、農作物卸業界の現場を実体験できて、私自身の農業ビジネスモデル構築の準備にはとても勉強になりました。こちらの会社では空いた時間で自分の事業の立上げ準備をする許可も頂いていたので、会社にある本で勉強したり、社長さんへの質問時間を頂いたり、実践しながら学ばせていただきました。またこの頃から農法についても深く関わるようになりました。有機農法、自然農法、……新しい「ほっとけ農法」にも出会いました(笑。
また自然農法を実践している熊本のたくさんの農家さんを訪問してお話を聞かせて頂く機会にも恵まれました。この時は私自身が自然農法で作ることを考えていたのですが、皆さん反対なさるのです。自分のこだわりで農薬を使わず手間ひまかけて作っても、生産性を上げるために農薬と肥料を使って作っても、キロいくらという販売形式は変わらない。つまりいくら味が違っても安全でも、品種が同じなら同じ値段でしか売れない、それが現状だというのです。それならと、そのこだわりが伝わるように、お客さまと距離が近づくようなネットショップを企画したいと考えるようになりました。
●起業の決断ー
’06年まずネットショップからスタート!!
’09年株式会社化して「コトモファーム」もOPEN!!
そんな時、神田にある食品卸会社さんがネット販売の新規事業を手掛けるため、会長さんから直接私にオファーを下さり、それをお受けする流れになりました。ただ、入社してしまうと私の起業準備に制約がでてしまうため、特別に「通販システム構築の業務委託」という契約方法で携わることになりました。
今思うと、前述の食品流通会社の社長さんの時と同様、若造の分際で何とも図々しいお願いをしてしまった、と心苦しい気持ちで一杯です。当時の社長さん会長さんお二人のご親切や寛大さには、本当に言葉に表せないほど感謝いたしております。
そしてどちらの会社も局面局面で私が壁にぶつかった時はいつも助けてくださいます。東京方面には足を向けて寝れない状況です(笑。何とかこのご恩を農業界の次世代に還せるように、努力したいと思っています。
’06年まずは「よかもん発見隊!」というブログ型通販サイトを立上げ、個人事業として起業しました。「九州の美味しいものをみんなに届けたい、農家のこだわりや農業への想い入れを食べてくださる方にも伝えたい」という思いでスタートしました。契約農家さんと当初から取り組んでいるのが、価格は農家さんで決めて頂き、発送もお願いする、というルールです。お客様からの評価や感想を農家さんにお伝えすると、農家さんはとても喜んでくださり、「お客様⇔私⇔契約農家さん」の信頼の絆が更に深まってゆきました。
その後、こだわり農家の厳選フルーツのネットショップ「旬果亭」もスタートして業容も拡大してきたこと、契約農家さんも次第に増えてきたこと、さらに体験農園を本格的に運営しようと考えたこと、…などにより、法人化が必要な時期を迎えました。そして’09年株式会社えと菜園を設立して、藤沢に体験農場「コトモファーム」をOPEN、また全てのコンテンツを「えと菜園」のホームページにに統合リニューアルしました。
「コトモファーム」ってどういう意味?ってよく質問されるのですが、「子供から大人まで」農業の楽しさを体験して欲しい、という願いを込めて付けた名前なのです。野菜の種まきから収穫までの楽しさを体験してもらったり、農薬を使わない農法で食の安全基準を体感してもらったり…。
●起業後のエピソードは?
「横浜ビジネスグランプリ2011 ソーシャル部門」で最優秀賞に!!
研修センターOPENで就農支援の本格化、…起業支援コースも!!
農業の人手不足は年々深刻化していて、特に地元の熊本は大規模農家も多いので顕著な傾向です。その一方で関東では、働きたいのに仕事がない方や住宅困難者の方が沢山おられます。この2つの問題を同時に解決できると考えたのが「就農プログラム」でした。就労支援活動のNPO団体と組んで進めたプログラムの過程を、横浜ビジネスグランプリに応募したところ、ソーシャル部門の最優秀賞を頂くことができたのです。
生活保護は社会にとって必要なセーフティネットで、とても大切な制度だと思います。ただその一方で、働く喜びを奪ってしまうケースがあるというのも悲しい現実です。農業体験を通じて、栽培技術の習得だけではなく収穫の達成感や喜びを体感して頂きながら、自立のキッカケを掴んで頂ければ…と願っています。
生活保護受給をされていた56歳の方で、就農プログラムを経て、現在熊本の農家に就職されているとても素敵な方もいらっしゃいます。今後さらに行政や新しい組織を巻き込んで、支援メニューや事業の仕組みを発展させていきたい、と考えています。
また、定年後のセカンドライフとして農業で起業したい、というシニア層の方からの問合せも増えていて、「野菜作りをしながら、農分野で起業!」という起業コースも設けました。8月から、畑の近くに研修センターをOPENする予定なので、ご参加頂いた皆さまからの声をお聞きしながらプログラムを強化してゆきたいと思っています。
●今後の夢・目標・生き方についてー
えと菜園のビジネスモデルの確立に向けて。
農業を常に新しいスタイルで提供してみたい!!
早いもので再来年で創業してちょうど10年目を迎えることになります。ネットショップ事業からスタートして、えと菜園法人化、契約農家の拡大、コトモファームOEPN(藤沢、熊本)、ビジネスコンテスト最優秀賞受賞、NPO農スクール設立、農業研修センターOPEN、……自分のできる範囲で自然栽培の事業展開をコツコツとやってきたつもりです。
また契約農家の方々やお客様さまの応援があったからこそ、事業が継続できているんだと思います。さらには、農業を通じて生き物と接する生活をする中で、「地球や環境によって自分は生かされているんだ」と実感するようになりました。
えと菜園のビジネスモデルは、「作る」「食べる」「学ぶ」という3本柱の事業がそれぞれ成長してきました。今後は、自社の規模も拡大してゆきたいのは勿論のこと、自然栽培のビジネスモデルに自信がついてきましたので、この農業モデルで起業するお仲間も増やしてゆきたいと思います。100年後も持続できる安全性の高い農業を目指して、常に新しさを追求して参りますので、よろしくお願いいたします。
▼農業にご興味のある方へのメッセージ 「農業を体験すると、人生が変わります!!」
農業はツライ、キツイ・・・という先入感がある方が多いようですが、やってみるとそうでもないんですよ(笑。土に触れ、自然のパワーを全身で浴びると、人は本当に変わるんです。大地は目に見えない価値で溢れています。食べ物の安全性を考える食育の場として、心の癒しの場として、家族や友人とのコミュニケーションの場として、コトモファームがお役に立てれば、と願っています。
●小島希世子、私の座右の銘
「できるか、できないか」ではなく「やるか、やらないか」
「継続は力なり」 ~細々とでも続けることが大事!!
▽株式会社えと菜園ホームページ
http://www.eto-na-en.com/
▽えと菜園Facebookページ
https://www.facebook.com/etonaen
▽小島希世子(Kiyoko
Ojima) facebook個人ページ
https://www.facebook.com/ojimakiyoko
▽食と職をつなぐ・NPO農スクール
▼宜しければフェイスブックページに「いいね!」をお願いいたします!!